オプションくじが当たる事件と抽選日
March 9, 2014
オプションは、事件に備える「保険」あるいは、事件があったら賞金が当たる「くじ」ということなのですが、
この事件というのは、実際のところなんなのかは、おおよそ見当がつくだろうと思います。
実際のオプションは、「株」や「商品先物」ほかの様々な投資対象に対してかけられた「保険」です。
ですから、この場合、備えるべき事件とは、まさしく相場の「上昇」や「下落」のことであるわけです。
それらがもっと事件らしく激しく起きれば「暴騰」や「暴落」ということになります。
もちろん激しい事件が起きればもらえる賞金も比例して大きく増えるようになっているというわけです。
オプションは、この2種類の事件に対して、それぞれ「保険」=「くじ」を提供するのです。
つまり、オプションには2種類あって、
一つは「上昇」に備える保険、即ち「上昇」で賞金がもらえる「くじ」(コールオプション)
もう一つは「下落」に備える保険、即ち「下落」で賞金がもらえる「くじ」(プットオプション)です。
そして、これらには、「保険」でいえば満期、「くじ」なら抽選日にあたるもの(SQ日)があって、
賞金金額が算定されるのですが、「保険」「くじ」と違うのは、それまでの間オプションを、何時でも
何度でも売買することができることです。
つまり、満期(SQ日)に予想される清算金額をにらみながら、オプションの売買価格(プレミアム)が
時々刻々と変化してゆくのです。その時々の相場状況によって、
どうも当たりそうもないと思われるくじの値段(プレミアム)はじりじり下がってゆきますし、
いかにも当たりそうなくじの値段(プレミアム)は逆にぐんぐん上昇したりするわけです。
まあ、いってみれば、競馬のレースが始まった後で、各馬がゴールに向かって突進している、
まさにそのさなかに、馬券の自由売買がしきりになされていることを想像してみてください。
さし馬が途中からぐんぐん高値になったり、高かった馬が落馬で一気に値が消えたりなどするわけです。
それほどあわただしくはないにせよ、オプションの売買はそれに似ているといっていいでしょう。
だから、「呑み屋」など介在の余地はないというか、まあ、全員呑み屋と馬券買いを両方やっている
といってもいいのではないでしょうか。
当たりそうもない馬券を「呑み」、当たりそうな馬券を「買う」なんてことを参加者各自がやるのです。
一見当たりそうもなくて安い穴馬を「買い」、人気があって高い馬をあえて「呑む」かもしれません。
(もちろん取引業者を介しますから、違法なことをしているわけではありません。)
その代り、万一「呑」んだ馬券が当たったら、きっちり支払わなければなりません。
それではまるで、ただのギャンブルのようだと思われたかもしれませんが、そうではありません。
前にも言ったように、「競馬」「くじ」どころか「保険」と比べても、売買にかかる手数料は低めであり、
「買手」の割損もなく、「売手」になることが可能であることにより、
むしろ、とても戦略的で多彩な投資手法が駆使できる、優れた投資商品であるといえるのです。
とにもかくにも、以上のことを一言にまとめておくなら、オプション取引というのは、
「上昇くじ」(コールオプション)と「下落くじ」(プットオプション)を、抽選日(SQ日)までの間、
相場の価格(プレミアム)で自由売買することによって、売り買いの利ザヤを追及するものであり、
とても多彩な投資手法が適用できる、独特の投資対象である、と、
まずは理解しておいてよいのではないでしょうか。
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